●炭水化物(糖質)と肌
今年の夏も本当に暑い日が続きましたね。
夏が終わり秋になるこの時期、お肌の疲れを感じる方は多いのではないでしょうか。
紫外線や室内外の温度差による部分もありますが、暑さによって食欲が低下し栄養不足や睡眠不足で肌荒れが出てくる時期でもあります。
秋は「食欲の秋」とも言いますね。
夏バテの肌と身体を改善するためにも、秋のおいしい食べ物からバランスのとれた栄養を摂りたいですね。
さて、今回はそんな食べ物から、「炭水化物(糖質)と肌」について少しお話したいと思います。
●炭水化物はあまり摂らない方が良い?
近年糖質が多く含まれるお米、パスタやパン、お菓子などを摂らない「炭水化物ダイエット」が流行っていますね。
人生の半分以上が日本での生活となった私は白いご飯が大好きなので、お米が食べられないとなったらとてもつらいですが…。
しかし、このダイエットには医学的に正しく検証されたデータは多くありません。
また、それにより肌に及ぼす影響のことはあまり言われません。
炭水化物が不足すると、身体は蓄えられた脂肪を燃焼してエネルギーに変換します。
炭水化物ダイエットはこのメカニズムを利用した物になりますが、健やかな肌を作るために必要な栄養分であるたんぱく質も分解してエネルギーをつくり出そうとするため、たんぱく質が不足しターンオーバーが乱れ、肌がボロボロの状態になりやすくなります。
また炭水化物の糖質は脳の直接エネルギー源であり、また身体を動かすために必要なので、集中力がなくなったり、疲れやすくなります。
でも「肌のため」「エネルギー源だから」といって炭水化物をたくさん摂れば良い訳でもありません。
過剰に摂取することにより、老化を促進する「糖化」が起こってしまいます。
●糖化とは?
糖化とは食事などから摂った余分な糖質がたんぱく質と結びついて体温で加熱されることで、老化を促進させる物質「AGEs」 (=Advanced Glycation End Products:終末糖化産物)が作られる現象のことです。
わかりやすい例としてよくあげられるのが、パンケーキを焼いた時の生地です。
パンケーキに含まれる砂糖(糖分)が、卵や牛乳などの乳製品(たんぱく質)と結びつき、熱が加わることで表面が茶色く固くなります。
この現象が体内で起こっているのです。
肌で糖化が起こり蓄積されると、コラーゲン繊維が固くなり、柔軟性が失われ、しわが深くなります。
また糖化したたんぱく質は茶褐色に変色するため、くすみとなって肌に現れてきます。
●糖化のリスクを減らす方法
糖化を完全に防ぐことはできませんが、糖化リスクを減らすことはできます。
炭水化物を食べる前に、野菜や海藻類、きのこ類といった食物繊維が多い物を先に食べることで、糖質の吸収を抑えることができますし、日本茶やどくだみ茶、カモミールティーなどはAGEsの生成を抑制してくれます。
アボカドやいちご、アーモンドやクルミなどは糖質が少ないので、小腹がすいた時などにも最適です。
また、寝ている間に大量に分泌され、お肌の再生・修復をしてくれる「成長ホルモン」ですが、寝る前に糖質を摂ると、成長ホルモンの分泌が阻止されてしまうので、老化の原因になります。
寝る3時間前までに食事やお酒を済ませるようにしましょう。
Medical Skin Care Specialist(M.S.C.S)
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