「甘酒が健康に良い」ということはなんとなくご存知の方が多いと思いますが、甘酒には免疫力を高め、病気の予防や改善効果もあると言われています。
今回は、私たちの体が持つ免疫システムと甘酒の力ついてお話ししたいと思います。
■免疫とは何か
まず、そもそも免疫とはどういうものなのでしょうか?
免疫とは、自分と異物(細菌やウィルスなど)を識別して、自分ではないものを追い出そうとする働きのことです。
いわゆる、病原体を捕食・攻撃・破壊する「自己防衛システム」です。
そのため、免疫力が低下すると、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。
また、病気の回復にも時間がかかったり、通常なら軽度で済む病気でも悪化する可能性が高くなってしまいます。
■免疫を担うリンパ球は7割が腸内に
免疫システムは、主に血液中の白血球によって担われています。
そして、白血球の約4割を占めるリンパ球が免疫に重要な役割を果たしています。
このリンパ球は、ヘルパーT細胞などいくつかの細胞に分かれていますが、それぞれがバランスよく働くことで免疫力を発揮します。
そして、リンパ球の60〜70%は腸の粘膜に存在しています。
私たちが日々口にする食べ物には、大腸菌やサルモネラ菌などの細菌やウィルスなどが含まれているため、腸内のリンパ球はこれらの侵入から体を守るために対抗しています。
そのため、体内の免疫システムをきちんと作用させるためには、要となるリンパ球が働きやすいように腸内環境を整える必要があります。
■甘酒で腸内環境を整える
そこで、腸内環境を整えるためにおすすめなのが甘酒です。
私たちの腸内には100種類100兆個もの細菌が生息していると言われています。
その腸内細菌は、善玉菌・悪玉菌・日和見菌の三つに分けられますが、免疫力を高めるためには善玉菌を増やすことが重要です。
甘酒には、善玉菌である乳酸菌が多く含まれています。
さらに、甘酒が作られる過程で、米麹がでんぷんを分解することでオリゴ糖が作り出されるのですが、このオリゴ糖は乳酸菌のエサにもなります。
そのため、甘酒を食事に取り入れることで、腸内の乳酸菌を増やし、腸内環境を善玉菌優位に整えるために大きな力を発揮します。
こうして腸内環境が整えられることで、リンパ球がうまく作用し、体が高い免疫力を維持できるようになります。
■甘酒の病気予防効果
甘酒は、風邪やインフルエンザなどの感染症以外にも、さまざまな病気の予防に役立つと考えられています。
まず、腸内環境が整えられることで、アルツハイマー型認知症や大腸がん・肝臓がん・乳がんの予防にもつながります。
これらの病気は、増えすぎた悪玉菌が原因の一つにあると言われているため、甘酒の優れた整腸効果に大きな期待が寄せられます。
また、甘酒にはビタミン類が豊富に含まれ、これによるリラックス効果は高血圧の緩和にも役立つと考えられます。
さらに、甘酒の糖類は自然由来のものです。
そのため、人工甘味料たっぷりのジュースを甘酒に置き換えれば糖尿病予防にも効果的でしょう。
このように、甘酒には免疫力アップと同時に数多くの健康効果が期待されます。
当社が行ったアンケートでも、多くの方が甘酒の様々な効果に関心を持っていました。
皆さんもぜひ、甘酒を日々の食事に取り入れてみてくださいね。
written by コスメコンシェルジュ篠田
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