肌老化の3大要因である紫外線・大気汚染・ストレスのうち、最も影響が大きいと言われる紫外線。
冬の紫外線は夏に比べると弱まりますが、油断は禁物です。
冬の肌不調を防ぐために、紫外線の特徴をしっかりと理解し正しいケアを行いましょう。
●紫外線の種類と特徴
紫外線には、UVA・UVB・UVCの3種類があります。
UVCは、ほとんどがオゾン層に吸収されるため、人体への影響をそれほど気にする必要はありません。
しかし、UVAとUVBにはそれぞれ異なる性質があり、冬でも私たちの肌に悪影響を与えるため注意が必要です。
○真皮層にダメージを与えるUVA
冬に一番注意するべきなのは、生活紫外線とも呼ばれるUVAです。
UVAは波長が長いのが特徴で、家や車の窓ガラスも通り抜けて肌の真皮層を刺激します。
真皮には、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成を行う線維芽細胞があるのですが、UVAはこの線維芽細胞にダメージを与えます。
特にヒアルロン酸は構造上ダメージを受けやすいため、肌を乾燥させ、シワやたるみといった肌悩みの原因につながります。
冬の肌不調の原因は、外気の乾燥だけでなく、このUVAが大きく関わっているのです。
○日焼けの原因となるUVB
UVBはレジャー紫外線とも呼ばれ、主に肌の表皮で吸収されます。
肌を黒くする日焼けの原因は主にこのUVBです。
基底層でメラノサイトを活性化し、メラニンの合成を促進するため、シミや小ジワなどの肌トラブルを引き起こす原因となります。
●季節や時間帯によって変化する紫外線量
肌にダメージを与える紫外線量は、季節や時間帯によって変化します。
○夏と冬の紫外線の違い
紫外線量のピークは春から夏にかけてですが、冬でも紫外線の影響をあなどってはいけません。
夏に非常に強く照射されるUVBは、冬には3割ほどに減ると言われています。
しかし、UVAは冬でも夏の半分ほどしか減らず、紫外線の約9割を占めると考えられています。
さらに、雨上がりや雪が降った後の晴れの日は、紫外線が反射するため照射量が倍になります。
UVAはUVBと比べて、日焼けなどによる肌の変化を感じにくいため日頃のケアを怠ってしまいがちです。
しかし、冬の紫外線に多いUVAは、肌の奥まで届き、じわじわと肌を痛めるため、冬でも十分な対策を行う必要があります。
○午前中の紫外線を適度に浴びよう
しかし、全ての紫外線が悪いというわけではなく、紫外線を全く浴びないのも体にはよくありません。
紫外線量は、1日の中でも時間帯によって異なります。
午前9時までの紫外線は、照射量が少ない上に殺菌作用が高いため、肌にとってはむしろ良い影響を与えると考えられています。
紫外線には、骨の健康を守り免疫力増強に効くビタミンDの合成を促進する作用もあります。
そのため、過剰な紫外線が肌を傷めないようにしっかりと対策をしつつ、午前中適度に紫外線を浴びるといいでしょう。
完全に紫外線を避けるのではなく、適切な肌ケアをしながら紫外線と上手く付き合うことが大切です。