外部刺激や内部要因などが肌トラブルを引き起こす「敏感肌」。
季節、体調、体質など、様々な要因があるため、根本的な解消法がないのも困りものです。
しかし敏感肌のトラブルは、油分、水分ともに不足するために起こるもので、肌のバリア機能を回復させることで、症状が軽減します。
その方法をご紹介しましょう。
●敏感肌ってどんな状態?
敏感肌は、一般的にトラブルを起こしやすくなった肌の状態を指します。
原因となるのは、花粉やハウスダスト、紫外線、間違ったスキンケアといった外部刺激、食品アレルギーやストレス、不規則な生活やホルモンバランスの乱れといった内部要因であることもあります。
症状はかゆみ、赤み、かぶれ、ヒリヒリとした痛みのようなわかりやすいものの他に、実は、化粧のりが悪い、ヒビ割れ、粉を吹いたような皮膚状態なども敏感肌の症状。
肌には本来、外部刺激を防ぎ、内部の潤い蒸発を防ぐバリア機能が備わっているのですが、何らかの原因で肌のバリア機能が低下し、外部刺激に対する抵抗力が弱くなると、敏感肌に傾きます。
●そもそも肌のバリア機能って?
肌のバリア機能についておさらいしておきましょう。
肌表面にある角質層の細胞は、ブロック状に並んでいますが、細胞間には隙間があります。
この隙間を、セラミドを主成分とする細胞間脂質が満たし、結合することで、角質層は肌内部を外部から遮断する壁のような存在になります。
0.02ミリという薄さの角質層ですが、肌深部の水分蒸発を防ぎ、外からの異物侵入を妨げる防御壁として、健やかな肌のためには非常に需要。
健全な角質層が「バリア機能」を担っているのです。
しかし、角質間細胞が不足して角質細胞間に隙間ができると、様々な外部要因は入り込みやすく、肌深部の水分は蒸発しやすくなってしまいます。
これが「バリア機能の低下」です。
●敏感肌には適切な潤い補給が肝心
バリア機能の仕組みを理解すると見えてくるのは、敏感肌の原因は、角質層の乱れ。
つまり、細胞間脂質の不足=乾燥によるものだとお分かりいただけるでしょう。
ですから、敏感肌改善に向けたケアは、保湿が最も大切です。
しかし、やみくもにたっぷりの化粧水や高価な美容液を使えば良いというものではありません。
角質層に効果的な成分を適度に届けるのが肝心です。
効果的な成分とは、角質間脂質と同じ成分であるセラミドなどの保湿成分や、美容成分。
いずれも、なるべく自然界に存在するナチュラルな成分で、アルコールや合成界面活性剤など、肌への負担となる成分が使われていないものが良いでしょう。
また、せっかく有効な化粧品も、浸透しなければ効果が半減しますから、肌表面の古い角質や化粧品などの汚れを、やさしく適切に除去してからケアすることをお勧めします。
注意すべきは、肌への刺激を極力与えないようにすること。
ゴシゴシ強く洗ったり、クレンジング剤をこすり取ったり、マッサージやパックのしすぎ、化粧水の強いパッティングなどには注意しましょう。
食べ物では、タンパク質やビタミンB2・B6、カルシウムを多く含むものが良いとか。
デリケートな肌は、体の内外からやさしくケアしてあげたいものですね。
Medical Skin Care Specialist(M.S.C.S)
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