●春はお肌にとって良い季節ではない!?
暗く寒かった冬をようやくしのいで迎える春。
厚いコートを脱ぎ、寒さに縮こまっていた体を伸ばして、軽やかな気持ちで楽しみたいものです。
しかし同時に春は「木の芽時」の言葉もあるように、気候の変化によって体調を崩しやすく、肌がデリケートになる季節でもあります。
肌は本来、角質層がみずみずしく保たれていれば、外的刺激から守るバリア機能が働きます。
しかし、乾燥が進むと角質層の構造が乱れ、バリア機能は低下。乱れた角質層の隙間から刺激物質や異物が侵入しやすくなってしまうのです。
春には特有の花粉や黄砂、ホコリや大気汚染物質といった肌に害を与える異物が多いので、肌はいっそう不安定になり、結果、肌荒れや肌老化を起こしやすい状態になります。
そこで今の季節は、刺激を受けにくい肌にすることが大切になってきます。
刺激を受けにくい肌とは、外的刺激から肌を守るバリア機能を兼ね備えた肌。急激な気温の変化や刺激物から肌を守る力を、肌自身が備えることが肝心なのです。
●肌のバリア機能を保つために
肌のバリア機能をキープするのに必要なのは、角質層内の水分です。
化粧水やクリームなどをたっぷりつけて肌表面のみをしっとりさせるのではなく、角質層でしっかり水分を蓄えておくことが大切です。
水分を肌から逃げないように角質細胞同士をつなぎ保ってくれるのが細胞間脂質であり、その主な成分はセラミドです。
そのため、セラミドの入った化粧品は低下したバリア機能をサポートするのに適したアイテムとしてお勧めです。
しかし、せっかく良い化粧品を使っていても取り入れる「肌準備」ができてなければ意味がありません。
肌表面に古い角質が蓄積していると、素晴らしい成分も浸透度は半減し、満足のいく効果が得られないからです。
スキンケアの前に簡単なマッサージをするだけで角質層が柔らかくなり、その後の手入れの効果も高めてくれます。
ただ何もつけないでマッサージすることは、肌を擦り刺激になるので、滑りや伸びの良いマッサージジェルを使って行うことが大切です!
●ミニマムの成分で最大限の効果を得る
もう一つ提案したいのが「必要最低限」の考え方。一般的な化粧品には、パラベン、アルコール、鉱物油、香料、着色料、合成界面活性剤といった成分が含まれるものが多くあります。
これらは、品質保持が容易になり、見た目や使用感が「それらしく」なる成分。
商品の作り手側のメリットであって、使う側、つまり肌にとって刺激や負担にしかならない場合もあります。
作り手側の考え方や開発努力によって、「余計な成分」が入っていない優れた商品はあります。
化粧品を選ぶ際は、効果的な成分が入っているかはもちろんですが、商品コンセプトをきちんと理解して、不必要なものが使われていないかどうかも、確認したいものです。
Medical Skin Care Specialist(M.S.C.S)
レイチェルワイン